漫画「銀の匙 Silver Spoon」を1巻～全巻無料で読む電子書籍サイト・アプリは？読み放題マンガ/荒川弘

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受験に失敗したり父親の圧や苦手な兄から逃げるようにエゾノー（大蝦夷農業高等学校）入学した八軒勇吾が主人公の成長農業高校成長漫画です。エゾノーの寮生活に入ったもののクラスメイトは目的を持っていて、それが無い勇吾は目的が無い為気後れします。そしてパワフル過ぎる授業、学校の家畜の食肉に至るまでの世話の当番や入部した馬術部が起床と言った過酷な環境生活になります。煩悩まみれの学校の面子の助けで石窯の修理し校内の食材を使ったピザを振る舞って一躍有名になったり、可愛がってた家畜の豚の食肉化にあたりベーコンにしたりして次回開催を期待され、事業を立ち上げるほどになります。勇吾は会社で食肉加工をする資格取得に大蝦夷畜産大学を受ける事にし、父親との確執も解消しその後の成長（事業含む）があって面白いです。

農業という、身近な仕事なのに専門的な知識がないジャンル、そんな近くて遠い職業を主人公と一緒に面白おかしく学べるとてつもなくためになる漫画です。キャラは誰も彼も個性的、農作物や畜産関係の話は興味深く身になる内容で、ストーリーは喜怒哀楽が詰まっています。本当に不足がないと感心する漫画です。たまに世知辛い現実にページをめくるのをためらうくらいリアリティのある世界観が描かれていて、まさに子供だけでなく大人も楽しめる代表格の作品。また、紙に描かれたイラストなのに本気でお腹が減ってくる描写も多く、特にピザ窯で焼いたピザをみんなで頬張るシーンは格別飯テロです。その時の美味しいと自然と笑えてくるというセリフは大いに同意できました。

受験に失敗し、農業高校に入学した主人公・八軒勇吾が、個性豊かな同級生や教師に囲まれ、成長していく物語です。
農業高校が舞台となっているため、「食」について考えさせられるストーリーが散りばめられています。家畜たちが置かれた現実を知った八軒は、割り切れなさを抱えて葛藤しつづけるために、授業で育てる子豚に「豚丼」と名付けます。はじめてのバイト代を「豚丼」に使うエピソードには様々なことを考えさせられました。
高校生ならではの部活動や学校行事、恋愛模様はもちろん、農家に生まれた子どもの実家を継ぐ使命と将来の夢といった悩みも描かれます。
農業を取り巻く環境を学んだ八軒が成長し、卒業後に選んだ道も納得できるものでした。

優秀な周囲のプレッシャーに耐えかねて、札幌の進学中学校をドロップアウトすることになった八軒勇吾が、自分の家から逃げ出したいという理由だけで、全寮制の帯広の農業高校、エゾノーに入学し、学校の実習や農家でのアルバイトを通じ、また、同級生が離農をして借金返済のために中退を選んだというショッキングな出来事など、北海道の農家ならではの厳しい現実に直面しながら、悩みつつ自分なりに考えて進路を見つけて踏み出していく、青春農業漫画です。作者の荒川弘さんは実際に漫画の舞台となった帯広農業高校を卒業して、実家の農業で就業していた経験があるので、特に酪農家のシビアな部分にはリアリティがとてもあります。ただ、最後の農大進学の部分だけは無理がありすぎて、強引かなと思いました。

自分とは縁遠い酪農という世界を通じて、様々なことを考えさせられる作品です。前半の子豚が母豚から乳をもらう場面で教えられる子豚の性質は、まさに今の社会に対する会社員たちの考え方そのものであり、今いる環境で妥協するな、簡単にあきらめるな、工夫せよと、この漫画全体への問題提起になっています。主人公の八軒や恋人の御影、その友人たちを巻き込みながら、生き物を育てて命について考えたり、その販売を通して経済・経営について考えたり、今の日本全体の畜産業や農業について考えたりと、物語を読み進めるうえで読者も登場人物たちと一緒に成長させてもらえるます。中高生くらいの段階でこの漫画に出会い、銀の匙を通して様々な考え方を知ったうえで、将来を考えると、人間としての幅が広げられると思えるおすすめの作品です。

大川 進英

馬術部の部長で勇吾の先輩なのに勇吾以上に将来のビジョンが無いのと、彼女持ちになった勇吾をリア充と敵視したり、ガス爆発起こしたり競馬にピザ販売のお金をつぎ込んだりとダメな人感が面白いです。エゾノー卒業後は就職のルートを選択してたものの、就職先が決まらず卒業で大丈夫なのかこの人と思いました。でも勇吾が立ち上げた会社の社長に抜擢（？）のドンデン返しはすごいと思います。何より手先が器用な彼の存在があったからピザ石窯修理から起業に繋がってるので重要キャラですね。

タマコ

肥満体型で一番デフォルメされている見た目なのに、実は作中一番の美人という設定が好きです。しかも自分の夢のためなら親すら蹴落とそうとする鬼のように容赦のない性格は、重い展開で沈んでしまいそうな気持ちを引っ張り上げてくれるのに一役買ってくれます。だけどギャグよりな存在なのに、ピリッとするようなことを言ったりするので油断できません。要所要所で存在感を放ちながら、しっかりとオチも作ってくれる完成度の高いキャラなところです。

稲田多摩子

「たまこ」という名前のとおり、卵のような体型をした八軒のクラスメイトです。誰に対してもはっきりとものを言うところが魅力的です。共同経営の大規模な牧場が実家で、八軒が企画したイベントには主に経理として参加します。将来は父親から社長の座を奪おうと目論んでいます。
目鼻立ちがはっきりしており、痩せるといわゆる「美人」になるのですが、健康を理由に本人は卵のような体型でいることを望んでいるところも愛おしいです

八軒勇吾

都会のサラリーマン家庭で農家とは全く縁がなく、農業高校に逃げたというヘタレな設定の勇吾が、学校と友人を通じて、経験を糧にして自分の道を踏み出すところが良いと思います。ゆうきまさみのじゃじゃ馬グルーミングアップ！の主人公である駿平と、性格や田舎にたどり着いた経緯などは結構似ている。作者の荒川弘さんも、かなり意識している部分があるとのことで、じゃじゃグルよりも多少現実味があるストーリー展開になったのだと思います。

八軒数正

主人公八軒勇吾の父であり、冷徹非常な人物のようにうつる厳格な人物です。言っていることは至極真っ当ですが、歯に衣着せぬ物言いで出会った人をどんどん傷つけていきます。主人公勇吾はそんな父親と次第に対等を目指して会話をするようになり、そんな息子に対して数正も本気には本気で返すと、大人として向かい合うようになりわだかまりがだんだんとなくなっていきます。父の背中を超えようとする勇吾の成長を父としてどう考え、どう感じるのかという数正なりの葛藤が、現代に生きる昭和の父親代表のようでこの漫画の見所です。

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